いつもの場所で

阿部由明

2011年10月23日 18:00




物凄く充実した一日であり、温かい一日であった。

夕方、部長の佐藤とコンピューターの専門学校へ行く道中の話である。

いつも声が大きく笑顔の佐藤。

うちの会社のムードメーカーとも言える存在である。

そんな佐藤が運転する車の助手席に座った。

走り出して5分ぐらいしてから佐藤が言った。

いやぁ~この「かりゆし」ね。娘からの父の日のプレゼントなんですよ。(笑)

この名詞ケースもプレゼントで。。。と、胸元から出して見せた。

「満面の笑み」である。(笑)


佐藤の家では家の間取りに注意しているという。

それは、いつも子供と話す環境を大切にし自らが子供の状態を察知できる様にするためだからだ。

リビングは家族の団らんの場であり、家族の絆を深める場だという。

そう考えるとどうだろうか?

現代の家族、団らん、リビングの意味。

大型テレビに必要以上の食卓セット。

見栄えばかり気にする人も世の中いるのではないだろうか?

昔は当たり前であった「会話」=「道徳」はこのリビングから生まれたのではないだろうか?

家具屋のリビングセットを見る時にいつも思う時がある。

このリビングは家族が会話しやすい様にできているだろうか?

TVが見やすい、部屋が広く見えるという事の何倍も大切ではないかと思う。

これが佐藤の哲学であり、私の人生の先輩としての意見である。


リビングルーム

それは心を育む云わばオアシスと言っても過言ではない。


オアシスで育まれた愛情はいつの日か眩いばかりの光を放ち花開くであろう。


心の植木鉢ともいえるそのリビングを娘が後する時、父親は涙するだろう。


リビングに行けば娘の声が聞こえてくる気がすると父は一人座り込む。


そんな愛あるリビングに僕もしたいと思う。




関連記事