見えたか?俺。

阿部由明

2011年10月22日 17:00



早朝4時、いつもより早く目を覚ましソファーでお茶を飲む


ふぅ~っと深いため息気味の深呼吸をして時間を忘れる


次に気付けば茶碗の底にわずかに残るお茶を静かに眺めていた


さて、一日の始まりだ。


そう心で感じ、重たい腰を上げる。


まだ外は薄暗くカラスの鳴く声だけが遠くから聞こえてくる
街はまだ眠りから覚めてはいない時刻



PCデスクに座りパソコンの電源を入れる


昼間ならよく聞こえないウィンドウズの起動音もこの時間だと少々高めに鳴り響き耳に残る



1時間程、一日のスケジュールや昨日の残りの仕事を片付ける


首や肩に重力を感じ顔をしかめながら体を仰け反る


目を閉じ無心となりその時を待つ


そろそろか・・・・


ゴォーーーーーン



ゴォーーーーーン


その音は重く魂まで届く鐘の音


その鐘の音が脱力しきった心と体を浄化する


鐘の音が鳴り止んでもその余韻は続く


薄れゆく余韻に心が更に余韻を求める


朝日と共にその余韻も薄れ「現実の今日」がやってくる



耳を澄まし心で鐘の音を聞いた時、人の心は波無き大海となる
その心はまるで仏であるかのように合掌する。


静かな心で一日を迎え感謝の気持ちで一日が終わる



そしてまた一晩すれば新しい鐘の音が新しい一日の始まりを知らせてくれるのだ




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